インタビュー

釣り好き夫婦が自ら釣った魚に腕を振るう店は海風感じる船のイメージ。シルバー世代に熟した常連と新規客を乗せて、新たな船出!
BISTRO HIRAI オーナーシェフ 平井快孝さん


■開店13年目に大改装に踏み切った理由をお聞かせください。


もともと開店から10年を過ぎたら改装しようと考えていました。




長年、コース中心のフランス料理店「レストランヒライ」として営んできましたが、年齢を重ねて段々と若い頃と同じようには仕事が追いつかなくなってきて、そろそろ自分にあったペースでやりたいなと。


それで、自分で自分の首をしめないように(笑)、席数を20から17に減らして、料理はコースからアラカルト中心に変更。店名も「レストランヒライ」から「ビストロヒライ」に改めました。


内装は位置関係といいますかレイアウトごと丸ごと変えたので前店とはまるっきり別の姿に生まれ変わりました。厨房機器もすべて入れ替えたんですよ。マイナス60度の冷凍庫も新調しました。




また、うちは昔からお客様の年齢層が高くて、店の歴史と同じく常連様の年齢も上がってきていますから、食べたいものを食べられる量だけ味わえるアラカルトのほうがより楽しんでいただけると思ったんです。








■改装にあたり最も力を入れた箇所はどこですか?




オープンキッチンを望む広々としたカウンターです。現在は向かって左手が厨房ですが、以前は突き当り奥が厨房で、残りのスペースはすべて客席でした。以前もオープンキッチンではありましたが、カウンターは4席だけで、今の迫力とは比べものにならないものでした。



■山翠舎に依頼した経緯は?


ネット検索です。日本人は木の温もりがあったほうがくつろげますからね。施工画像を見て気に入っていたので他社と比較もしませんでした。




■デザイナーにリクエストしたことは?



仕事のしやすさとお客様の居心地の良さを兼ね添えた店づくりをお願いしました。特に厨房の柱や棚、調理台の高さについてはデザイナーさんと一緒にとことん吟味しました。ほとんどはデザイナーさんにおまかせですが、海を思わす色合いの椅子は自分で調達しました。




■山翠舎スタッフの対応はいかがでしたか?




よくやってくれましたよ!前店を2月にクローズして工事開始は3月半ばから。その後、5月20日にリニューアルオープンしました。工事期間中の2か月は日に何度も現場に足を運んで、現場監督さんや職人さんから工事の状況を説明してもらったり、木の色を選ばせてもらったりと、逐一自分の目で確認しながら進めることができたので、納得いく仕上がりになりました。10月に山翠舎の事務所に顔を出して以来、5か月半ものあいだ打ち合わせを重ねてじっくり検討させていただきました。




■外壁に書かれた「旬の釣り魚を食べられる店」という言葉にはとてもそそられます!




自ら釣った魚を料理するスタイルはレストランの頃から変わりません。夫婦で釣り好きなんです。野菜も実家の農家から取り寄せる無農薬の有機野菜なんですよ。




■釣りにはいつ行かれるのですか?



週に一度、店の定休日に夫婦で釣りに行きます。神奈川県の三浦半島に行くことが多いですね。



■今、さばいている魚はなんですか?



ヒラメです。大きくて立派でしょう?今時期は松葉港から出航して、剣先沖というポイントで、産卵前の脂の乗ったイサキも結構釣れます。今週は2人で60枚は釣ったかなあ!小ぶりなので手はかかりますけど、脂のりは抜群です。



■産直やオーガニックがトレンドになる遥か昔から、安全・安心・新鮮な食材にこだわっているのですね!地元では「美味しい魚といえばヒライ」が常識なのでは?




そうですねえ。シェフが釣った魚を料理して出す店は界隈ではもちろん、都内でもなかなかありませんからね。地元の方にはそのように思っていただけているのではないでしょうか。




■空間もお料理もガラリと変身したお店に、お客様の感想はいかがですか?




常連客の来店頻度が増えて嬉しい限り!また、カウンターが人気急上昇で、以前はテーブルを選んでいた方もカウンターを選ぶようになりました。奥行きをたっぷり取りましたから、くつろいでいただけるようです。外観も以前よりも入りやすく、お洒落になったので、新規で若いお客様にも来店いただけるようになりました。







■ありがとうございました。

関係者の声